韓国語学習者や旅行者にとって、「お願いします」という依頼の言い方は気になるポイントです。日本語の「お願いします」に当たる韓国語の表現にはいくつか種類があり、場面や相手によって使い分けが必要です。本記事では基本フレーズからシーン別の例文、注意点まで幅広く紹介し、韓国語でスムーズにお願いするためのポイントを解説します。
目次
韓国語で「お願いします」は何と言う?

韓国語では「부탁하다」という動詞を使って依頼を表現します。基本的な丁寧形は「부탁합니다(プタクハムニダ)」で、日本語の「お願いします」に相当します。
例えば、何かを頼むときに「도와주세요(助けてください)」の後に「부탁합니다」と付けて「助けてください、お願いします」というように使うことができます。友人や同僚、ビジネスシーンでも広く使える表現です。
基本表現:부탁합니다(プタクハムニダ)
「부탁합니다」は最も一般的なお願いの言い方で、「依頼します」というニュアンスがあります。日本語で「お願いします」と言う代わりにこのフレーズを使うことで丁寧な依頼ができます。
例として、誰かに手伝ってもらうときは「이 일 좀 도와 주세요, 부탁합니다(この件ちょっと手伝ってください、お願いします)」と言えます。このように文末に添えるだけで、礼儀正しい依頼になります。
丁寧表現:부탁드립니다(プタクドゥリムニダ)
さらに丁寧に言いたいときは「부탁드립니다」を使います。これは「부탁합니다」より敬意が強く、ビジネスや目上の人への依頼に適した表現です。
例えばレストランで会計をお願いするときは「계산서 부탁드립니다(お会計をお願いいたします)」と言えば、とても丁寧に聞こえます。またビジネスメールなどでは「도움을 부탁드립니다(ご助力をお願い申しあげます)」のように用いられます。
カジュアルな「부탁해요(プタケヨ)」
友人や家族など親しい間柄では、もっと気軽な形「부탁해요」もよく使われます。これは「부탁합니다」よりくだけた言い方で、フレンドリーな響きがあります。
たとえば、「숙제 도와줄래? 부탁해(宿題手伝ってくれない?お願い)」のように、相手に何か頼むときに使えます。韓国語では親しい相手には短い形で伝え、最後に「부탁해요」を付け加えて分かりやすく依頼します。
これらの表現を整理すると、次のようになります。
| 韓国語表現 | 意味・使い方 |
|---|---|
| 부탁합니다 | 基本の丁寧語。文末につけて「お願いします」と伝える |
| 부탁드립니다 | よりフォーマルな表現。ビジネスや礼儀正しい場面で使う |
| 부탁해요 | 親しい相手へのカジュアルな依頼。礼儀は保ちつつ柔らかく頼む |
シーン別!韓国語で「お願いします」を伝えるフレーズ

「お願いします」の立場は状況によってさまざまです。ここでは代表的な場面ごとに、韓国語での依頼フレーズ例を見てみましょう。
飲食店・ショップで「お願いします」
レストランやお店で注文・会計を依頼する場面では、有効なのは「~세요/주세요」を付ける表現です。例えば注文を決めたら「이걸로 할게요(これでお願いします)」と言い、お会計の時は「계산서 주세요(お会計ください)」と伝えます。
もう少し丁寧なら「계산 부탁드립니다(お会計をお願いいたします)」と言い、「부탁합니다」や「부탁드립니다」を添えても構いません。つまり場面に応じて「○○ 주세요」「부탁합니다」を組み合わせて使い分けます。
友達・家族とのカジュアルシーン
友達や家族間ではもっと砕けた言い方でも通じます。例えば何かを頼むときは「~해 줘 (~して)」や「도와줘(手伝って)」のように動詞に直接願いの形をつけます。
例として、「엄마, 저녁 밥 차려 줘, 부탁해(ママ、夕飯作ってくれる?お願いします)」や「친구야, 사진 좀 찍어 줘, 부탁해(友達、写真撮ってよ、お願い)」などがあります。親しい間柄では「부탁해(요)」を付け加えると気軽に聞こえます。
目上の人やビジネスでの表現
上司やビジネスシーンでは、より丁寧な表現が求められます。先述の「부탁드립니다」はフォーマルな依頼に最適です。
また、依頼の前に「실례합니다만(失礼ですが)」「죄송한데(申し訳ないのですが)」といった前置きを加えると礼儀正しくなります。例:「실례합니다만 지금 시간 괜찮으세요? 도와주실 수 있으세요?(失礼ですが今お時間よろしいでしょうか。お手伝いいただけますか?)」。このように丁寧語の組み合わせで依頼します。
「お願いします」の韓国語表現と関連フレーズ

「お願いします」に近いニュアンスのフレーズを覚えておくと、韓国語でのお願いの幅が広がります。以下、関連表現をいくつか紹介します。
「よろしくお願いします」に近い韓国語
日本語の「よろしくお願いします」に相当する言い方の一つが「잘 부탁드립니다(チャル プタクドゥリムニダ)」です。これは面談ややり取りの最後に「今後ともよろしくお願いします」の意味でよく使います。
ただしこれは依頼のフレーズというより、挨拶に近いニュアンスです。依頼した後に礼を添える際に使われることもあります(例:「이메일 확인 잘 부탁드립니다(メールのご確認をよろしくお願いします)」など)。
「~してください」に使える韓国語フレーズ
何かを「してください」という依頼には、動詞語幹+「주세요(ジュセヨ)」が基本形です。例えば「読んでください」は「읽어 주세요」、「見せてください」は「보여 주세요」となります。
ビジネスやもっと丁寧に言いたい場合は「주시겠어요?」や「주시겠습니까?」を使います。日常的には「물 좀 가져다 주세요(水を持ってきてください)」「조용히 해 주세요(静かにしてください)」のように「~してください」の形で表現するのが自然です。
切実なお願いには「제발(ジェバル)」
「제발」は「どうかお願いします」という意味で、非常に強い切実さを表します。日本語の「本当にお願いします」に近く、必死な気持ちを伝えたいときにだけ使います。普段の依頼ではめったに使われません。
例としては、「내일 시험인데, 제발 도와줘(明日がテストなの、本当に助けて)」のように、緊急で切羽詰まった状況で使います。使いどころを間違えると重すぎるので注意しましょう。
韓国語で「お願いします」を言うときのポイントと注意点

韓国語でお願いするときには、日本語との文化的・言語的な違いに注意しましょう。学習者が誤解しやすいポイントやマナーを解説します。
韓国文化での依頼表現の特徴
韓国では日本語のように単に一言「お願いします」と言うより、相手に配慮した言い方を重視します。依頼を始める際にまず「실례합니다만(失礼ですが)」「혹시(もしかして)」と切り出すのが丁寧です。
また双方の関係性に気を使い、命令形は避けます。代わりに「~해 주실 수 있을까요?(していただけますでしょうか)」や「~주시겠어요?(~していただけますか)」のような丁寧な言い回しを使って、相手の許可を敬って尋ねるのが一般的です。
敬語のレベルに合わせた使い分け
依頼表現は相手との関係によって使い分けます。上司・目上の人には最も丁寧な「-습니다 体」を、親しい人には「-어요/아요体」を使います。
例えば、同僚や友人にはカジュアルな「부탁해요(プタケヨ)」「좀 해 줘(チョム ヘジュセヨ)」を使い、上司や目上には「부탁합니다/부탁드립니다」「해 주십시오(ヘ ジュシプシオ)」のように敬語で言います。このように敬語レベルを合わせることが失礼にならないコツです。
よくある間違いと注意点
よくある間違いの一つは、日本語の感覚で軽々しく「제발」と言ってしまうことです。前述の通り「제발」は非常に強い表現なので、通常のお願いには適しません。
また、韓国語では依頼の前に相手の状況を確認したり、聞く態度を示すと丁寧になります。たとえば「지금 시간 있으세요?(今お時間ありますか?)」「해 주셔도 될까요?(していただいてもよろしいですか?)」という形にすると、相手への敬意が伝わります。
【ポイント】依頼をする前に「すみませんが」「실례합니다만(失礼ですが)」などで前置きをしましょう。文末は「-해주세요/주시겠어요?」など、敬語を使って丁寧に伝えると良い印象です。
まとめ
韓国語で「お願いします」にあたる表現はいくつかあります。基本は「부탁합니다/부탁드립니다」で、相手との関係や場面によって使い分けます。親しい人には「부탁해요」や動詞+「주세요」で依頼し、目上の人には敬語表現を使いましょう。
また「~してください」の丁寧な依頼には「動詞+주세요」を使い、切実なお願いには最後に「제발」を添えます。この記事で紹介したフレーズと注意点を参考に、韓国語での依頼表現をマスターし、自然に使い分けてみてください。