韓国ではソウル近郊の仁川国際空港・金浦国際空港に加え、釜山(金海)や済州島、大邱、襄陽(江原道)、務安(光州)など各地に国際空港があります。
日本からの直行便が多い仁川・金浦や、観光客で賑わう済州空港など、利用者の目的地やルートによって空港を使い分ける必要があります。
本記事では各国際空港の所在地を詳しく解説し、市内中心部へのアクセス方法や最新版の拡張計画情報も紹介します。
韓国旅行を計画中の方に役立つ、一冊手に入れておきたいガイドです。空港選びに迷いやすい旅行者にとって、これらの情報は大きな手助けとなるでしょう。
目次
韓国の国際空港の場所と概要
韓国にはソウル近郊の2大空港に加え、各地に国際空港があります。
2025年の時点で韓国全国には約8カ所の国際空港があり、首都圏では仁川・金浦が、南部では釜山(金海)や済州が主要拠点です。
その他、大邱や清州、襄陽(江原道)、務安(光州)などでも国際便が就航しています。
こうした空港の分布を把握することは、目的地に最も近い空港を選ぶ上で重要です。
国際空港の数と分布
2025年現在、韓国には8か所の国際空港があります。首都ソウル近郊に仁川国際空港と金浦国際空港があり、東南部に釜山金海空港、南部に済州空港が位置します。
さらに大邱国際空港(テグ)、清州国際空港(チョンジュ)、襄陽国際空港(ヤンヤン)、務安国際空港(ムアン)といった地方にも国際便を扱う空港があります。
これらは地理的に均等に配置されており、国内各地へのアクセスを支えています。
代表的な国際空港の位置
韓国の中でも最大規模かつ代表的な国際空港は仁川国際空港です。仁川空港はソウル中心部から西へ約60キロ、永宗島(ヨンジョンド)に位置しており、2001年の開港以来、韓国の空の玄関口として成長してきました。ソウル市内へは空港鉄道(AREX)で第1ターミナルから約43分、第2ターミナルから約51分でアクセスできます。
同じくソウルに近い金浦国際空港は市内中心部の西側に位置し、距離は約15~20キロ程度です。東京(羽田)や大阪(関空)など近距離国際線や国内線が発着し、ソウル観光やビジネスに便利です。
釜山金海国際空港は釜山市の西部(金海市)にあり、中心部へは地下鉄とバスで約40~50分です。済州国際空港は済州島北部に位置し、済州市街地からバスで約20分、タクシーで15分程度です。各空港は地域の玄関口として機能し、周辺に鉄道やバスのアクセス網が整備されています。
仁川・金浦:ソウル近郊の国際空港

首都ソウル近郊には2つの国際空港があります。仁川国際空港は韓国最大の空港で、国際線の玄関口として知られています。一方、金浦国際空港は市街地から近く、短距離路線に強みがあります。以下で仁川空港と金浦空港の場所および特徴を詳しく見ていきます。
仁川国際空港 – 世界クラスの巨大空港
仁川国際空港はソウル中心部から西へ約60キロ、永宗島に位置する超大型ハブ空港です。2001年の開港以来、東京や北京、ロサンゼルスなど世界の主要都市と結ばれています。現在、第2ターミナル横に第4滑走路を建設中で、大規模な拡張が進められています。完成すれば年間1億人超の旅客を処理できる見込みで、24時間365日稼働が可能です。免税店や飲食店など施設も充実し、乗り継ぎや待ち時間を快適に過ごせます。
金浦国際空港 – 都心近郊のアクセス空港
金浦国際空港は1958年開港で、現在はソウル市内の江西区にあります。市街地から十数キロ程度と近く、地下鉄とバスを利用すれば約20~30分でソウル中心部に到着します。金浦空港からは羽田、関空など日本路線や北京、上海など近距離国際線が運航されており、ソウル観光やビジネスに便利です。滑走路とターミナルがコンパクトな設計で、移動距離が短いことも特徴です。
仁川と金浦の違いと使い分け
| 空港 | 仁川国際空港 | 金浦国際空港 |
|---|---|---|
| 所在地 | ソウル西方(永宗島) | ソウル市内(江西区) |
| 都心までの距離 | 約60km(AREXで約43~51分) | 約15km(地下鉄で約20~30分) |
| 就航路線 | 世界各地の主要都市(多数) | 近距離国際線(東京・大阪など) |
| 特徴 | 24時間稼働、大規模施設 | 都心に近く、小規模で移動短い |
上表のように、仁川空港は大規模で就航路線数が多い一方、金浦空港はソウル市内から近いのが特徴です。航空券の本数や運賃、所要時間などを比較し、旅行の目的に応じて適切な空港を選びましょう。
釜山・済州:地方の主要国際空港
ソウル以外では、釜山金海空港と済州空港が主要な国際空港です。これらは日本やアジア各地との航路が充実しており、観光・ビジネス双方で利用されています。以下では釜山空港と済州空港のほか、その他の地方空港について説明します。
釜山金海国際空港
釜山金海国際空港は、韓国第2の都市・釜山の玄関口です。金海地区(釜山の西隣)に位置し、西面(ソミョン)まで地下鉄で約25分、釜山駅や南浦洞まではバスで約40分です。国際線は東京(成田・羽田)、大阪(関空)、福岡、中国、東南アジアなど多数就航しており、韓国南部へのアクセス拠点となっています。
済州国際空港
済州国際空港は韓国南端にある済州島内最大の空港です。日本や中国、東南アジアへの国際便が多く発着し、国内線はソウル・釜山ほか島内の各都市と結ばれています。済州市中心部へはバスで約20分、タクシーで10~15分ほどです。観光客向けの施設も充実しており、多くの旅行者が島内観光の起点として利用しています。
その他の地方国際空港
釜山と済州以外にも、大邱国際空港(テグ)、清州国際空港(チョンジュ)、襄陽国際空港(ヤンヤン)、務安国際空港(ムアン)などが国際空港として機能しています。これらの空港にも日本線や中国・東南アジア路線が就航しており、地方と世界をつなぐ役割を果たしています。規模は前述の4大空港ほど大きくはないものの、地方観光や経済の活性化に寄与しています。
各空港から市内へのアクセス方法
利用する空港によって、市内へのアクセス方法は異なります。主要空港ごとの代表的な交通手段を以下にまとめます。
仁川空港からソウル市内へのアクセス
仁川空港からソウル中心部へは空港鉄道(AREX)、リムジンバス、タクシーなどが利用できます。直通列車(AREX)は第1ターミナルからソウル駅まで約43分、第2ターミナルからは約51分で到着します。リムジンバスは約60~70分で市内へ運行されており、主要ホテルや観光地まで直通です。いずれの交通手段でも交通カード(ティーマネー)を利用できます。
金浦空港からソウル市内へのアクセス
金浦空港は市内中心部から近く、地下鉄と空港鉄道を乗り継いで約30分、ソウル駅などに到着します。都市鉄道5号線と空港線が直結しており、新世界ホテル前や永登浦(ヨンドゥンポ)、光化門(クァンファムン)方面へも直通します。リムジンバスも複数系統あり、主要スポットへのアクセスが容易です。タクシーなら約20~30分程度で都心に出ることができます。
釜山空港から釜山市内へのアクセス
金海空港から釜山市内へは、地下鉄1号線が釜山駅(プサン駅)まで直通しています。西面(ソミョン)までは急行列車で約25分、南浦洞(ナンポドン)までは約40分です。また、リムジンバスが複数路線運行しており、釜山駅前や海運台(ヘウンデ)方面など市内各所までアクセスできます。タクシーでは渋滞がなければ約30分程度です。
済州空港から済州市内へのアクセス
済州空港から済州市街地へは、空港リムジンバスが一般的です。主要系統の1番・2番バスで約15~20分、主要ホテル群や市庁前まで運行しています。タクシーでの移動も約10分程度、運賃は約5千~6千ウォンです。空港敷地内には複数のレンタカー会社が営業しており、観光客はレンタカーで島内観光を行うことが多いです。
最新の国際空港開発・拡張計画
韓国の国際空港では需要増加に対応し、拡張や新設計画が進められています。特に仁川国際空港では第4段階の建設事業が進行中で、新滑走路と第2ターミナル拡張が2024年末に完成予定です。完成後は年間1億人超の旅客処理能力となり、世界でも有数の規模になります。
釜山金海空港では新ターミナル建設案が検討されており、南部経済圏の拡大に合わせて対応を進める計画です。金浦空港では新ターミナル建設は取り止めとなりましたが、既存施設の改修やサービス改善が図られています。
地方空港でも利用者増加に伴い、ターミナル改修や便数拡大が行われています。大邱、清州、襄陽、務安などの空港ではLCC(格安航空会社)の就航拡大で利用者が増加し、政府も新規路線誘致を支援しています。今後も空港インフラの拡充により、地方と世界をつなぐネットワークが強化される見込みです。
まとめ
韓国の国際空港は地域ごとに特徴が異なり、目的地や旅程に合わせた選択が重要です。ソウル圏の仁川・金浦空港は、仁川が充実した国際ハブ、金浦が都心近郊の利便性が魅力です。釜山や済州の空港もアジア各国と結ばれており、利用ルートに応じて最適な空港を選べます。今後は仁川空港第4滑走路の運用開始など整備が進み、利便性はさらに向上する予定です。本記事で紹介した情報を参考に、安全で快適な韓国旅行をお楽しみください。