仕事で同僚や友人を励ましたいとき、日本語で「お仕事頑張ってください」という表現を使いますが、韓国語ではどう言うでしょうか。韓国語には日本語とは異なる応援表現がいくつもあり、相手との関係や状況によって使い分けが必要です。この記事では「お仕事頑張ってください」を韓国語で表現する方法や、日常やビジネスの場面で使えるフレーズ例を紹介します。
目次
韓国語で「お仕事頑張ってください」は何と言う?
まず「お仕事頑張ってください」を直訳した場合、韓国語では「일 열심히 하세요(イル ヨルシミ ハセヨ)」などと言えます。直訳すると「仕事を一生懸命してください」という意味になりますが、相手に「もっと頑張ってください」と少し上から言っている印象を与えることがあります。特に職場の先輩や上司に向かって使うと、失礼に聞こえる場合があるので注意が必要です。
直訳で伝える場合
直訳で言うと「일 열심히 하세요」はフォーマルな表現です。上司や取引先など、目上の人に使用する敬語形(하세요体)にあたります。ただし、韓国では目上の人に「열심히 하세요(がんばってください)」と言うのは、相手を責めているようにも受け取られる恐れがあります。仕事を普段から一生懸命やっていないと暗に示すニュアンスになることもあるため、目上の人に対しては慎重に使う必要があります。
一方、友人や同僚など親しい人に対しては、フォーマルでない言い方が可能です。例えば「일 열심히 해(イル ヨルシミ ヘ)」や「열심히 해!」と言えば「仕事を頑張って!」という意味になります。カジュアルなので親しい間柄であれば自然に聞こえますが、目上の人やビジネスの場面では避けた方が無難です。
丁寧な言い方
韓国語で丁寧に励ましたい場合、先ほどのような直訳ではなく別の表現を使うことが多いです。目上の人向けには「수고하세요(スゴハセヨ)」や「힘내세요(ヒムネセヨ)」などが一般的です。「수고하세요」は直訳すると「苦労してください」という意味ですが、実際には「お疲れ様です」「お仕事お大変でしょうが」というニュアンスで使われます。挨拶の代わりに「いつもお疲れ様です」の感謝を込めて使うことも多く、業務中に交わす挨拶として自然です。
また「힘내세요」は「元気を出してください」という意味で、相手を励ますときに使います。友人や先輩など相手の年齢や立場を問わず使える丁寧な表現です。例えば仕事で大変そうにしている人には「정말 힘든 거 아니에요? 그래도 힘내세요(本当に大変ですよね?でも、頑張ってくださいね)」のように言うことができます。
親しい人へのカジュアルな言い方
親しい間柄ではより砕けた言い方が使えます。普段の会話では「열심히 해! (ヨルシミ ヘ!)」や英語から来た「화이팅! (ファイティン!)」という表現がよく使われます。「열심히 해!」は「一生懸命やってね!」という意味で軽い命令形のようなニュアンスですが、友人同士なら元気づけとして自然です。「화이팅!」はカジュアルかつ元気な掛け声で、日本語の「ファイト!」と同じ感覚で使えます。
「お仕事頑張ってください」と韓国語の応援フレーズ

韓国語には日本語の「頑張って!」と同じような使い方ができる応援フレーズがいくつかあります。それぞれ微妙に意味やニュアンスが違うので、状況に合わせて使い分けます。
| 韓国語表現 | 意味・使い方 |
|---|---|
| 화이팅 | 「ファイティン」と読み、困難に立ち向かう掛け声として使われる。日本語の「ファイト!」に当たり、スポーツや仕事など幅広い場面で使える元気な応援の言葉。 |
| 힘내세요 | 「힘내(ヒムネ)」(力を出して)+요 で丁寧形。落ち込んでいる人や大変な状況の人に「元気出してね」と励ます丁寧な表現。 |
| 수고하세요 | 日本語の「お疲れ様です」に近いニュアンス。目上の人に使うのが一般的で「お仕事お疲れ様です」という感謝やねぎらいの意味。 |
「화이팅(ファイティン)」
韓国語で最もポピュラーな応援表現が「화이팅」です。英語の“Fighting”に由来し、「頑張れ!」「行けー!」といった意味合いでカジュアルに用いられます。老若男女問わず日常的に使われており、スポーツの応援や、仕事に行く朝、SNSでのメッセージなどあらゆる場面で登場します。例えば「오늘도 화이팅!(今日もファイティン!)」と言えば、「今日も頑張ろう!」というニュアンスになります。
「힘내세요(ヒムネセヨ)」
「힘내세요」は直訳すると「力を出してください」で、日本語でいうと「元気を出してください」「負けないでください」という意味です。落ち込んでいる人やストレスを抱えている人を励ますときに使います。たとえば、仕事で疲れている友達に対して「바쁘시죠? 힘내세요.(忙しいでしょう?頑張ってくださいね)」と言えば、相手を思いやる気持ちが伝わります。この表現はフォーマルにもカジュアルにも使え、相手や場面を選ばずよく使われます。
その他の励まし表現
他にも、状況に応じて様々な励まし方があります。親しい間柄では動詞を省いた「힘내!(ヒムネ)」「화이팅!」といったパンマル(親しい形)も使います。また、仕事終わりや別れ際には「수고하세요/수고하셨습니다(スゴハセヨ/スゴハショッスムニダ)」と言ってねぎらうのが普通です。ただし「수고하세요」は元々「これから苦労してください」という意味を含むため、目上の人には使わず、目下の人や同僚に対して気軽に用います(目上には「수고하셨습니다」を使用)。
職場で使える韓国語の励ましフレーズ
具体的な職場の場面で使えるフレーズを紹介します。相手の立場や上下関係に合わせて適切な表現を選びましょう。
上司や先輩への敬語表現
上司や目上の人に対しては、直接「열심히 하세요」のように頑張れと言うのは避けたいものです。その代わり、相手の努力をねぎらう形で表現します。例えば出社時に「수고하세요(お疲れ様です)」や「오늘도 좋은 하루 되세요(今日も良い一日をお過ごしください)」と言って送り出したり、退社時には「수고하셨습니다(お疲れ様でした)」と締めたりします。また、会議や仕事の始まりに声をかける場合、敬語を使って「오늘 회의도 잘 부탁드립니다(今日も会議よろしくお願いします)」といったフレーズで前向きな姿勢を示すこともできます。
同僚や後輩へのフレンドリーな表現
同僚や後輩にはカジュアルに声をかけることができます。「내일 발표 잘 하자! 힘내!(明日のプレゼン、うまくいくように!頑張ってね)」のように、親しげな調子で励ましたり、チャットやメッセージであれば「화이팅!(ファイティン!)」と一言送ったりできます。仕事仲間には「우리 파이팅입니다!(みんなで頑張ろう!)」といった団結を促す表現も人気です。
実際の会話例
例えば、同僚が大きなプロジェクトを任されたときには、「이번 프로젝트 꼭 성공시켜야죠. 힘내세요!(今回のプロジェクトは必ず成功させなければなりませんね。頑張ってくださいね!)」と言えます。また、終業時に「오늘도 수고 많으셨어요. 내일 봐요!(今日は一日お疲れ様です。ではまた明日!)」とねぎらうのも自然です。状況に応じて住所者形動詞や「요」体を使い分けると印象がより良くなります。
例文で学ぶ「お仕事頑張ってください」の韓国語
ここではビジネスシーン、日常会話、SNSメッセージで使える例文を挙げます。
ビジネスシーンの例文
メールや会議で使える表現例です。敬語を入れながら、相手の努力を称えたり励ましたりします。
例:
- 상사에게: 「오늘도 화이팅입니다! 필요하신 자료 있으면 알려주세요.」
(今日も頑張りましょう!必要な資料があれば教えてくださいね。) - 부하에게: 「지난번 일하느라 고생 많았어요. 내일 다시 힘내서 하죠!」
(この前は仕事で大変だったね。明日また頑張ってやりましょう!)
カジュアルな会話例
友人や同僚との軽い会話で使えるフレーズです。
例:
- 友人に: 「시험 잘 봐! 나도 같이 응원할게, 화이팅!」
(試験頑張ってね!私も応援するから、ファイティン!) - 同僚に: 「오늘도 다들 수고했어! 힘내고 푹 쉬자.」
(みんな今日もお疲れ!元気出してゆっくり休もう。)
SNSやメッセージで使う例
短いメッセージやスタンプ風の表現です。若者言葉やネットでよく見かける形を取り入れてもOKです。
例:
- 友達とのトーク: 「뭐야, 대박 프로젝트 맡았네! 화이팅하세요~ 😊」
(えっ、すごいプロジェクト任されたんだね!ファイティン~😊) - 自分を鼓舞して: 「오늘도 파이팅! 할 수 있어!」
(今日も頑張ろう!君ならできる!)
韓国語の応援表現と日本語の違い
日本語の「頑張ってください」と韓国語の励ましにはニュアンスの違いがあります。日本語では目上にも目下にも同じ「頑張って」を使えるのに対し、韓国語では使い方を間違えると言い方が乱暴に聞こえたり不自然になることがあります。韓国では「열심히 하다(いちよういち)」という表現が直接的でストレートなので、特に目上の人に対しては別の表現に置き換える文化があります。
日本語の「頑張ってください」と韓国語のニュアンスの違い
日本語の「頑張って」は幅広い場面で使え、相手を気遣うニュアンスがありますが、韓国語の直訳では相手への負担が強調される場合があります。例えば「일 열심히 하세요」は直訳的には「仕事を一生懸命にしてください」となり、相手に「普段ちゃんとやってない」と受け取られかねません。そのため、韓国語では直接「열심히 하세요」と言うよりも「힘내세요」「화이팅」など、相手を鼓舞する言い方を選びます。
文化背景から見る応援表現の違い
韓国では個人を励ます際に「우리 같이 노력하자(一緒に頑張ろう)」や「서로 파이팅!(お互いファイティン!)」というように、話し手も一緒に頑張る姿勢やチームワークを強調する表現が好まれます。これは競争社会であっても仲間意識を重んじる文化によるものです。また、日本語にある「頑張りすぎるな」という配慮の言葉が韓国語には明確に対応していないため、励ましすぎると逆にプレッシャーになることもあります。
翻訳するときの注意点
翻訳の際はただ単に日本語を韓国語に置き換えず、相手や状況に合った言い方を選びましょう。敬語・友達言葉の使い分けはもちろん、相手が忙しい時や大変そうなときは「힘내세요」、仕事を終えた人には「수고하셨습니다」とねぎらいます。日本語でも状況に応じて「お気をつけて」や「お疲れ様です」を使い分けるように、韓国語でも表現に気を配ることが大切です。
まとめ
- 韓国語にも日本語の「頑張って」に近い応援表現があり、相手や場面によって使い分けが必要。
- 目上の人には「열심히 하세요」よりも「수고하세요」「수고하셨습니다」「힘내세요」など敬語的・ねぎらいの表現を使う。
- 親しい同僚や友人には「화이팅!」「힘내!」「열심히 해!」などカジュアルな表現で元気づける。
- 韓国では「お互い頑張ろう」という意味で「서로 힘내요」「같이 화이팅합시다」のようにチームワークを強調する言い方も一般的。
- 状況によって「수고했어요」「수고하셨습니다」と言って相手の努力をねぎらったり、「힘내세요」で元気づけたりと、様々なフレーズを覚えておくと自然なコミュニケーションがとれます。