天安市(チョナン)は韓国の首都ソウルからKTXで約30分の場所にあります。独立運動の史跡が点在し、石窯で焼くパンが名物のパンの街としても知られる魅力的な観光地です。
四季折々の豊かな自然や、現地グルメの隠れスポットも充実しており、韓国旅行の新たな見どころとして注目されています。
この記事では、天安市でぜひ訪れたい観光スポット、グルメ、アクセス方法などを詳しく解説します。天安観光のポイントを押さえて、充実した旅行計画に役立ててください。
目次
韓国・天安観光で必見のおすすめスポット
天安市内には様々な見どころがあります。例えば独立記念館は韓国の近代史を学べる大規模な施設で、見ごたえ十分です。アラリオ彫刻広場は個性的なアートスポットで、ユニークな写真撮影が楽しめます。太祖山覚願寺では静かな山中の本格的な寺院参拝ができ、訪れる人を心落ち着かせます。
さらに、朝鮮時代の女学生であり独立運動家として知られる柳寛順烈士の記念碑も市中心部にあります。彼女の功績を伝えるこのモニュメントは歴史を学ぶ場としても大変価値が高く、訪問者に強い印象を与えます。
独立記念館
独立記念館は朝鮮時代末期からの日韓併合期における独立運動や近代史に関する資料を集めた大規模な博物館です。展示館が9つに分かれており、さまざまな角度から植民地時代の歴史を学べます。
豊富な資料や映像を通じて当時の歴史に触れることができ、学習施設としても評価されています。
広大な敷地内には当時の生活道具や写真なども展示されており、子どもから大人まで楽しみながら歴史に触れられます。韓国語・英語・日本語の解説パネルも充実しており、外国人旅行者にも人気です。
アラリオ彫刻広場
アラリオ彫刻広場は、旧LG電子の社屋跡に設けられたアートスペースで、大型の彫刻やアート作品が展示されています。広場にはおよそ高さ10mを超える巨大な彫刻もあり、映画のロケ地にも使われたインパクトのある芸術作品が並びます。
いくつかの作品は自由に中に入って鑑賞できるようになっており、フォトスポットとしても人気です。多言語対応のガイドツアーも行われていて、作品の背景を詳しく学ぶことができます。
周辺にはカフェも点在しており、美術鑑賞後にゆっくり休憩するのに便利です。定期的にアートイベントやワークショップも開催されており、訪れるたびに新しい発見があります。
太祖山覚願寺
太祖山覚願寺は太祖李成桂(朝鮮王朝の建国者)にゆかりのある由緒ある寺院で、自然に囲まれた静かな環境にあります。1080年に創建された歴史あるお寺で、日本の華厳宗式の本堂が美しく修復されており、庭園や石橋も見どころです。
秋には境内の木々が紅葉に染まり、参拝と紅葉観賞を同時に楽しめます。
参拝客向けの案内所では日本語パンフレットが配布されることもあり、歴史や建築に興味がある人でも安心して見学できます。参道には伝統的な茶店もあり、お茶を楽しみながらゆったり散策できます。
柳寛順烈士記念碑
柳寛順(ユ・グァンスン)烈士は日本統治時代の独立運動家で、天安出身の女性です。彼女の記念碑は天安市街地近くに設置されており、大理石でできた高さのあるモニュメントが目印です。
この碑には感動的な言葉が刻まれており、彼女の勇気と犠牲を偲ぶことができます。周囲は公園のように整備されており、静かに散策しながら記念碑を訪れると当時の心情に思いを馳せることができます。
記念碑前では毎年3月1日に追悼式が行われ、地元住民も参加して彼女の業績を称えています。解説板は日本語でも読めるようになっており、歴史に詳しくない旅行者でも理解しやすい作りです。
韓国・天安の隠れた観光スポット

天安市には観光ガイドにあまり載らないユニークなスポットもあります。中でもトゥジュールパン石窯村は、石窯を使った本格的なパン屋やケーキ店が集まるテーマパークのようなエリアです。かわいらしい建物に囲まれ、焼きたてパンの香りに包まれながら散策できます。
また、高麗時代建立の鳳仙弘慶寺址にある「葛城碑」という石碑も見逃せません。国宝に指定されたこの古碑には寺の創建記録が刻まれており、歴史マニアにはたまらないスポットです。
トゥジュールパン石窯村
天安市東端に位置するトゥジュールパン石窯村は、ヨーロッパ風の建物が立ち並ぶパンのテーマパークです。入り口には直径5mの大きな石窯があり、そこから漂うパンの香りがおなかを刺激します。建物にはパン屋だけでなくケーキ屋や雑貨店、体験コーナーも揃っています。
特に石窯で焼いた塩パンや明太子パンが人気で、外はカリッと中はもちもちの食感。店内にはイートインスペースもあり、できたてのパンをその場で味わえます。
子ども連れに嬉しい遊び場やワークショップも充実しており、パン作り体験やクッキー作り体験で楽しめます。可愛らしい建物のフォトスポットも多く、まるで童話の世界にいるような非日常感を味わえます。
鳳仙弘慶寺葛城碑
鳳仙弘慶寺は1021年に創建された高麗時代の古刹ですが、現在は寺院跡が公園となっています。その敷地内にある「葛城碑」(코락비)は、当時の文化や寺の歴史が刻まれた石碑で、韓国の国宝に指定されています。
碑文には寺の創建目的などが記されており、漢文を学んだ人ならその歴史的価値をより深く味わえます。周囲は落ち着いた公園になっていて、ゆっくり石碑を見学できます。
訪問者向けにローカルガイドの案内もあり、日本語で説明してくれることがあります。歴史スポットとして知られてはいますが、散策する人は少なめで、静寂の中でじっくり見学したい方向きです。
韓国・天安の大自然とアウトドアを満喫
天安市にはキャンプやトレッキングも楽しめる自然スポットが点在しています。聖城湖水公園は大きな湖畔に遊歩道が整備され、ピクニックやサイクリングに最適な憩いの場です。春の桜、秋の紅葉が特に美しく、季節ごとに違った風景を楽しめます。
晴れた日にはボートに乗ったり釣りをしたりして湖を満喫できます。湖の周辺には子供用の遊具や休憩スペースもあり、家族連れで一日ゆっくり過ごすのにぴったりです。
また広徳山(クァンドク山)は市内を一望できる手軽なハイキングスポットです。標高627mの山で、頂上までのコースは緩やかで比較的登りやすいです。途中には小さな寺院や展望台があり、休憩ポイントも整備されています。
頂上からは天安市街地や周囲の山々がぐるりと見渡せ、特に夕暮れ時の景色が見事です。秋には山麓から登山道まで紅葉が続き、多くのハイカーが訪れます。
聖城湖水公園
聖城湖(ソンソンホ)は天安市の中心に広がる大きな湖で、その湖畔が水公園として整備されています。周囲の遊歩道はよく手入れされており、ウォーキングやジョギングに人気です。春には桜並木、秋には紅葉が湖面に映え、写真撮影にも最適です。
湖畔にはボート乗り場があり、手漕ぎボートで湖上散策を楽しめます。屋台やカフェも点在しており、自然を眺めながら軽食を楽しむことができます。
夏季には湖畔に臨時プールが開設され、子供用の浅いプールや噴水で遊べます。周辺には広場と遊具もあり、ファミリーで終日楽しめるレジャースポットです。
広徳山ハイキング
広徳山(クァンドク山)は市民に人気のトレッキングコースで、片道約1時間ほどで頂上まで登れます。山道は整備されていて歩きやすく、途中には小さな祠や展望スポットが設けられています。
山頂からの眺望は素晴らしく、天安市街はもちろん遠くの山々まで一望できます。特に秋は紅葉が美しく、秋晴れの日には絵に描いたような絶景が広がります。
山麓には古い寺院もあり、清々しい空気の中で立ち寄ることができます。また、登山口付近にはトイレや休憩所も整備されているので、家族連れでも安心してハイキングできます。
韓国・天安で味わう絶品グルメ
天安市では地元ならではのグルメも多彩です。特に有名なのが朝鮮式の血のソーセージ・スンデで、天安にはスンデ専門店がたくさん並んでいます。
もう一つの名物はホドクァジャと呼ばれるくるみ饅頭です。香ばしいくるみが入った餡をカステラ生地で包んで焼いたお菓子で、韓国内外からの旅行者に人気です。
地元市場には様々な屋台が出ており、ゴマの葉で包んだご飯や豚肉料理など韓国家庭料理も気軽に味わえます。伝統的な韓国スタイルの居酒屋(ポジャンマチャ)も夜になると賑わい、韓国ならではの料理文化が楽しめます。
天安名物スンデ
スンデは豚の腸に野菜や春雨、豚の血などを詰めた韓国独特のソーセージ料理です。天安のスンデは具だくさんでボリュームがあり、食べ応えがあります。店によってはレバーやモヤシ、韓国春雨など具材が異なり、それぞれ味わいが違います。
人気店ではスンデクッパ(スンデ入りのスープご飯)を提供しており、濃厚で温かいスープが特徴です。地元の老舗店では深いコクのスープに仕上げており、寒い季節にぴったりの一品です。
また、スンデの大皿料理「スンデチョプシ」は大人数でわいわい食べるのが天安流。刻み野菜やキムチ、辛味噌を添えて食べれば、味に変化が加わり最後まで飽きずにいただけます。
天安名物ホドクァジャ
ホドクァジャは韓国の街角でよく見かけるくるみ入りの饅頭で、天安が発祥の地とされています。外側はスポンジケーキのようにふわっと焼かれており、中には小豆あんともっちりした生地、そして大きなくるみが入っています。
天安市内にはホドクァジャ専門店が林立し、屋台でも香ばしい匂いが漂っています。冷めてもおいしいですが、できれば焼きたてを熱いうちに頬張るのが現地流です。甘さ控えめなので、甘いものが苦手な人でも楽しめます。
地元の人はおみやげにもよく利用しており、手軽に食べられる一口サイズが人気です。店によっては蜂蜜や抹茶味、かぼちゃ味などバリエーション豊富なので、食べ比べるのも楽しいでしょう。
韓国・天安観光のアクセスと交通情報
天安市はソウルからのアクセスに優れており、旅行の拠点に便利です。高速鉄道KTXを利用すればソウル駅から天安牙山駅まで約30分で到着します。地下鉄1号線も通っており、ソウル駅から急行電車で約1時間で行けます。
公共バスも南部高速バスターミナルから直行便が出ており、所要約1.5時間で到着。夜行便もあり、深夜着でも安心です。チケットは駅またはスマホアプリで事前予約が可能です。
市内移動は公共バスとタクシーが主流です。バスは日本のICカードに相当する交通カードで乗車でき、主要観光地を巡ります。都心から離れた観光スポットへはタクシー利用がおすすめで、料金も日本に比べて手頃です。配車アプリを使えば日本語でも案内してくれます。
ソウルから天安へのアクセス
ソウル駅からKTX(韓国高速鉄道)に乗れば天安牙山駅まで約30分で直行できます。1時間に数本の列車があり、チケットは駅窓口や旅行サイトで購入できます。急行地下鉄1号線も利用可能で、約1時間で天安駅周辺まで行けます。車窓から韓国の風景を楽しみながら移動できます。
バスの場合、ソウルの高速バスターミナルから天安市中心部への直行便があります。所要時間は約1時間半で、料金も安価です。夜行バスもあるので、時間を有効に使いたい旅行者に便利です。
天安市内の交通手段
天安市内では都市バスとタクシーが利用できます。バスは主要駅や観光スポットを結び、交通カードで簡単に乗り降りできます。バス停には路線図や時刻表があり、便利です。
タクシーは流しのほか配車アプリでも呼べます。日本語に対応するアプリもあるため、利用が容易です。特にスケジュールに余裕のない旅行者は、複数名でタクシーを使うと効率的に回れます。
中心部には観光案内所があり、日本語パンフレットや地図を入手できます。スタッフに行き先を伝えれば道順も教えてくれるので、初めての訪問でも安心です。なお、週末や祝日は道路が混みやすいため、早めの移動を心掛けましょう。
まとめ
天安市はソウル近郊にありながら、歴史スポットや大自然、ユニークなグルメが揃った魅力的な観光地です。独立記念館など歴史的な名所で韓国を学び、パン石窯村などの隠れたスポットで遊び心を満たし、名物料理で旅を締めくくれます。
KTXや地下鉄、バスなど交通アクセスも優れているため、日帰り旅行にも最適です。初めての方からリピーターまで幅広い旅行者が楽しめる天安を訪れ、韓国観光で外せないスポットを堪能しましょう。