韓国の日常会話やドラマでもよく耳にする「いつも通り」という表現。韓国語では普段通りという意味にあたるフレーズがいくつかあり、場面に応じて使い分けられます。
この記事では「いつも通り」を韓国語でどう言うか、基本の言い方や例文を紹介しながら、ニュアンスの違いも丁寧に解説していきます。
目次
韓国語で「いつも通り」を表現する基本フレーズ
まずは「いつも通り」を代表的に表す韓国語フレーズから見ていきましょう。基本的には「普段通り」を意味する평소대로(ピョンソデロ)という表現が最もよく使われます。「평소(ピョンソ)」は「普段」を、「대로(デロ)」は「~どおり」を意味し、文字通り「普段どおり、いつもどおり」という意味になります。
この表現は日常会話で非常によく使われます。友達同士の会話では「평소대로야(ピョンソデロヤ)=いつも通りだよ」というカジュアルな言い方をし、丁寧に話す場合は「평소대로예요(ピョンソデロエヨ)=いつも通りです」と言います。シンプルながら「何も変わりない」「いつもどおり」と伝えたい時に欠かせないフレーズです。
表現1: 평소대로(ピョンソデロ)
평소대로(ピョンソデロ)は「普段通り、いつもどおり」を意味する最も基本的な表現です。上で述べたように「평소(ピョンソ)」が「普段」、「대로(デロ)」が「~どおり」を表し、文字通り「普段どおり(に)」というニュアンスになります。韓国語学習でも最初に覚える韓国らしい言い回しです。
例えば何かが通常どおりであることを伝える時、「모든 게 평소대로야(モドゥンゲ ピョンソデロヤ)」と言えば「全部いつも通りだよ」という意味になります。また、緊張する場面が何も変わらないと伝えたいときは「긴장했는데도 평소대로 했어요(キンジャンヘッヌンドェド ピョンソデロヘッソヨ)=緊張したけどいつもどおりやったよ」と言うことができます。
表現2: 평소처럼(ピョンソチョロム)
평소처럼(ピョンソチョロム)も「普段のように」や「いつもどおり」という意味の表現です。「평소(普段)」に「~のように」を表す「처럼(チョロム)」がついた形で、直訳すると「普段のように」というニュアンスになります。「평소대로」とほぼ同じ場面で使える表現ですが、こちらは「~のように」というイメージが少し強まります。
例えば、他の人と比較して「今日も普段どおりだ」と言いたいときは「오늘도 평소처럼 다 똑같아(オヌルド ピョンソチョロム タ トッグァッタ)=今日もいつも通り全く同じだ」と表現できます。こちらも日常的によく使われる言い方で、友人同士で「평소처럼 해(ピョンソチョロム ヘ)=いつもどおりにしてね」とお願いする場面などで使えます。
表現3: 하던대로(ハドンデロ)
하던대로(ハドンデロ)は「これまでやっていたとおりに」という意味で、文字通り受け継いでいた動作を継続するニュアンスがあります。「하다(する)」の連用形「하던(ハドン)」に「~どおり」を表す「대로」を付けた形です。つまり「やっていたまま」「していた通りに」という感覚で、「いつも通り」とほぼ同じ意味合いになります。
例えば、計画や約束について相手に指示をするときに「계획대로 하던 대로 진행해(ケファイクテゴ ハドンデロ ジンヘンヘ)=計画どおり、いつもどおり進めてください」と言えます。また、作業中にちょっと休憩していた人に「続きは하던대로 해(ハドンデロ ヘ)=やってた通りにやって」と伝えることもできます。「하던대로」は使い方によってはビジネスや職場の指示でも頻出する言い回しです。
韓国語で「いつも通り」に似た表現と使い分け

「いつも通り」と似た意味でよく使われる韓国語表現には、항상(ハンサン)や늘(ヌル)、언제나(オンジェナ)などがあります。これらは日本語の「いつも」に相当し、頻繁に繰り返し行われる行為や常に変わらない状態を表すときに使われます。また「평소(ピョンソ)」は上で出てきた「평소대로」や「평소처럼」に含まれる「普段」を意味する単語です。以下では代表的な言葉を比較しながら説明します。
항상(ハンサン)と平소(ピョンソ)の違い
항상(ハンサン)は日本語の「いつも」に近い意味で、かなり広い範囲で使われます。ある状況が常に続いていることや繰り返される行動を強調するときに用いられます。例えば「항상 고마워(ハンサン コマウォ)=いつもありがとう」のように使い、ビジネスやフォーマルな場面でもよく聞きます。その対義語は「가끔(カックム、たまに)」です。
一方、평소(ピョンソ)は「普段・日常」を意味する名詞です。「평소에(ピョンソエ)」という形で使われ、「普段は~する」「普段は~である」という一般的な日常習慣を表します。上で説明した「평소대로」の「평소」もこの意味です。要するに、항상が「いつも」「常に」を表すのに対して、평소は「普段・いつもの状態そのもの」を意味すると考えられます。
늘(ヌル)と언제나(オンジェナ)のニュアンス
늘(ヌル)も「いつも」「常に」を意味し、항상によく似ていますが、やや親しみやすい雰囲気があります。日常会話でよく使われ、「늘 건강하세요(いつも元気でいてください)」のように、相手への願いや祈りの表現にも用いられます。一方の언제나(オンジェナ)は「いつでも」「いつも」のニュアンスで、どんな状況でも変わらずに~であることを強調します。例えば「늘 미소 짓고 있어(いつも笑顔でいる)」と言うのに対し、「언제나 네 곁에 있을게(いつでも君のそばにいるよ)」と言うことで、未来にわたって変わらない気持ちを表現できます。
항상・늘・언제나はいずれも「いつも」を表す表現ですが、항상は習慣や真実が不変に続く状況を、늘は友人同士で親しく使える日常的な「いつも」を、언제나は「何があっても変わらず~」という強調をそれぞれ含んだイメージで使い分けます。
その他の表現
ほかにも「자주(ジャジュ)」「보통(ポトン)」などが日常的な頻度を表す際に使われます。자주は「しばしば」「頻繁に」を意味し、「자주 만나요(よく会うね)」などに使います。ただし「자주」は必ずしも常にではなく「よく~する」という程度です。보통は「普段・通常」という意味で、「보통 때와 똑같다(普段どおりだ)」などとして使えます。これらは「いつも」とは少し意味合いが異なるので注意しましょう。
韓国語で「いつも通り」を使った例文
次に、「いつも通り」を韓国語で使った具体的な例文を見てみましょう。日常的な会話からビジネスシーンまで、状況別に例を紹介しますので、実際のニュアンスをつかむ参考にしてください。
日常会話の例
友人や家族との気軽な会話で「いつも通り」を伝えるときの例文です。
- 친구: 오늘 기분이 어때?
나: 음… 평소대로야(うーん、いつも通りだよ) - 엄마: 배 아픈 데는 없어?
나: 네, 모두 평소대로예요(うん、全部いつもどおりです) - 저녁을 준비하면서: 오늘도 평소처럼 일했어.
(今日もいつもどおり働いたよ)
ビジネスやフォーマルな場面での使い方
職場やフォーマルな会話では丁寧に言い表すのが基本です。以下はビジネスシーンの例です。
- 업무는 평소대로 잘 진행되고 있습니다.
(業務はいつもどおり順調に進んでいます) - 上司からの指示で: 계획대로, 하던 대로 진행하겠습니다.
(計画どおり、これまでどおり進めます)
ソーシャルメディアやドラマでの例
SNSやドラマのセリフでも「いつも通り」のニュアンスが登場します。簡単な例を見てみましょう。
- 友達へのメッセージ: 오늘도 평소처럼 수고했어요!
(今日もいつもどおりお疲れさま!) - ドラマのセリフ: 널 보면 언제나 미소 짓고 있어.
(君を見るといつも通り、私は笑っている)
まとめ
韓国語で「いつも通り」を表すフレーズとしては、基本的に평소대로(ピョンソデロ)や평소처럼(ピョンソチョロム)が使われます。ほかにも「ハドンデロ(하던대로)」や「항상」「늘」「언제나」など類似の表現があり、ニュアンスを使い分けることが重要です。ビジネス会話では「평소대로예요」「평소대로입니다」などの丁寧語を使うとより自然です。
これらの表現を覚えておけば、韓国語で「いつも通り」という意味を伝える際に役立ちます。まずは「평소대로」をしっかりマスターして、場面に合わせて他の表現も練習してみてください。